恋人の好みに合わせていたら太ってしまった
私は小学生から20歳まで、剣道を続けていて、当時はかなりハードに体を動かしていました。そのため、体重は65kg(身長156・4㎝)ありましたが、筋肉質だったため、太っては見えませんでした。
ところが、剣道をやめてから、徐々に太り始めました。それに拍車がかかったのは、4年前からです。
昔から食べることが大好きだったことに加え、その頃おつきあいしていたかたが、太った女性が好みだったのです。ですから太ることを気にせず、好きなものを好きなだけ、食べたり飲んだりしていました。
また、私の仕事は時間が不規則で、二日に一度は泊まりになります。そのため食事も決まった時間にとれず、夜遅くに食べることがよくありました。そうした生活も、肥満を助長したと思います。
けれども一昨年の初夏、私は彼とお別れしました。そのとき、わが身を振り返って愕然としました。ひさしぶりに体重計に乗ったら、体重は89kgにもなり、鏡に映った姿も別人のようでした。
ちょうど衣替えの時期でしたが、その前年着ていた職場の夏の制服も、入らなくなっていました。このままではダメだ、新しい恋人もできない。そう思った私は、専門の医師の力を借りて本気でダイエットをしようと決意したのです。
一昨年の8月から、私は髙橋弘先生のダイエット外来に通い始めました。
指導の中心は、四つの野菜で作る「ハーバード大学式長生きスープ(野菜スープ)」です。
私はキャベツ半分、タマネギ中1個、ニンジン1本、カボチャ4分の1個を大きな鍋で煮て、一度にたくさん作ります。
これをフリーザーバッグに分けて冷凍すると、6食分くらいになります。家にいる日は必ず仕事に行く前に食べて、1袋を会社に持って行くこともあります。
髙橋先生から言われたのは、「食事の最初にスープや野菜を食べなさい」ということだけでした。食べることが好きな私にあれこれ言っても、ストレスになるだけだと思われたのでしょう。そのおかげで、私でも続けられたのだと思います。
実際に食事の最初にスープを食べると、おなかがけっこういっぱいになって、そんなに食べなくてもよくなりました。こうした食事の指導とともに、最初の3ヵ月だけ、食欲を抑える薬も処方していただきました。
制服の上着が3サイズ小さくなった!
効果は、驚くほど早く現れました。最初の1ヵ月ほどで8kgもやせたのです。
これで私の意識が変わりました。昔から体を動かすことは好きだったので、時間のあるときにスポーツジムに通うようになり、家にいるときはなるべく自炊をするようになりました。
髙橋先生の野菜スープは味をつけないのが基本です。私は、それでは物足りないので、少し塩を入れたり、コンソメ味やカレー味にすることもあります。また、ウィンナーやトマト、セロリなどを加えて味に変化をつけました。
工夫したのは、野菜を大きめに切ることです。具が大きいと、自然とよく嚙むことになるため、満腹感が早くきます。
野菜スープを飲むようになって、いつのまにかお通じがすごくよくなりました。
昔から薬を飲まないと出ないくらいひどい便秘でしたが、野菜スープを飲んでいる限りお通じがあるので、すごく助かります。これも、野菜スープを続けるモチベーションになっていると思います。
途中、スープを作るのがめんどうになり、体重が上下した時期もありましたが、昨年末に量ったら67・8kgになっていました。1年半で20kg以上やせたことになります。
その間に、制服はどんどんブカブカになり、上着は3サイズ、スカートは2サイズ小さくなりました。
私はお尻がもともと大きいほうで、おなか、お尻、太ももの境目がありませんでした。
でも、今は全体にふた回り以上細くなったうえに、腰のくびれがはっきりわかるなど、ボディラインにメリハリがついてきました。周りからも、「ほんとに変わったねー」と驚かれています。
昨夏には、太っていた頃の服が全部ブカブカで着られなくなり、総入れ替えしました。お金はかかりましたが、セールの服が買えるし、かわいいデザインの服が着られるようになって、本当にうれしいです。
目標の65kgまであと一息。それをクリアできたら、標準体重の54kgを目指すつもりです。
周りから「ほんとに変わったねー」と驚かれています。

元気にきれいにダイエットができる(麻布医院院長 髙橋弘)
当院のダイエット外来を受診された松本さんは、野菜スープ(ファイトケミカルスープ)を中心に食習慣を変え、体を動かすことも再開し、1年半で20㎏以上の減量に成功しました。
体重が減るたびにどんどん元気に、きれいになっていく姿が印象的でした。周りからもすてきになったと言われ、今も体重をしっかり維持しています。
カロリー制限だけではなく野菜スープをしっかり食べることで減量したことが、元気にきれいにダイエットができた理由だと思います。